Home > > ミュージシャンとしての美学

ミュージシャンとしての美学

僕はギターの掃除をほとんどしません。
そして多少の傷やヘコミも気にしません。

といっても、ギターのメンテナンスは入念にやっています。
弦高調整とか、ネックの反り修正とかですね。

ずぼらだからとか、掃除する時間もないくらい忙しいから
ではありません。あえてピカピカにしないのです。

僕なりの美学があるのです。

たとえば、レストランに行って厨房が見えたとします。
ピカピカのフライパンばかりが並んだ厨房と
使い込まれて、へこんだりしているフライパンが並んでる厨房と
どっちがそのレストランの料理が美味しそうに見えますか?

僕は、後者に魅力を感じるのです。
ただ、それだけの話です。

もちろん、ピカピカのフライパンばかりの店でも
美味しい店はあることでしょう。
店主の価値観もあるから、仕事道具を綺麗に保つのが
悪い事だとは全く思いません。

ミュージシャンの中でもピカピカに保ちたい派と
使い込んだ感を出したい派がいると思いますよ。

ピカピカにしてる人でも、いろんな理由があると思います。
新品状態に魅力を感じるから
機材集めが趣味で、並べて眺めるのが好きだから
実際、仕事が少なくて暇だから使いもしないのに
楽器ばかり磨いてる人もいるでしょう(笑)

汚れた楽器を持ってる人にもいろいろいます。
僕みたいな価値観の人
単にずぼらな人(笑)
などなど

僕がいいたいのは、別に楽器を掃除することについての是非ではなく
自分の美学を大切にすることです。

自分がこれがかっこいいんだって思ったら信念を貫き通すこと。

こういう話をすると、僕は一度思い込んだら頭が堅くて
なかなか自分を曲げない人って思われるかもしれません。

でも、そんなこともないんですよ。
どっちかというと流されやすいタイプなんです。

たとえば、クリップチューナーの話

最近のチューナーはギターのヘッドにつける
クリップチューナーが主流です。
テレビにでるようなミュージシャンでもヘッドにチューナーつけっぱなしで
演奏してる人をたまにみかけます。

僕は、それがかっこわるいって感じちゃうんです。

こういう僕も実は5年くらい前はライブでもクリップチューナーつけっぱなしでした。
何も気にしてなかったんです、いつでもチューニングできるし便利だな程度です。

でも、とあるライブの後、客として来てくれていた知人のミュージシャンに言われたんです。

「チューナーつけっぱなしは、どうかとおもうなー」って

言われて初めて、自分のビジュアルを客観視してみて
確かにギターに異物が付いてるとかっこよくないなーって感じました。

それ以後、ライブではちゃんと演奏の時はクリップチューナーを
外すようにしています。

それを言ってくれた知人はギタリストではなく
サックスプレイヤーだったんですけどね。

その人は自分の美学を貫いている素晴らしいミュージシャンだったので
僕も思わず納得しちゃいましたよ。

人にはいろんな価値観があるので
どれが正しくてどれが間違っているってことないのですが
「自分はこれがかっこいいって思ってるんだ!」っていう
強い信念やポリシーは必要だと思います。

特に、音楽の楽しさを伝える講師のような職業の人は
個性があってなんぼのものだと思いますね。

人の生き死にを預かる医者ですら、価値観によって
治療方法変えたりするくらいですからね。

Comments:2

nb 2013-09-01 (日) 17:18

カッコいいです。(日数たってる気がしますが)

使い込んだギターで演奏してくれたほうが
観ても聴いてもうれしいです。たくさん練習して
いろいろライブ等経験経てきたギターという感じがします。
フライパンだっていままでおいしいものを作ってきた味わいが
ありますよね。使うほどに経験を積むみたいな。

ギターそのものが洗練されたカッコいいものなので
チューナーはないほうがカッコいいと思います。必要なとき
ささっとつけてチューニングするほうがカッコいいです。

どんな立場でも自分なりに少しでもカッコよくありたいと
考え行動するのがカッコよさなんだと思ってます。
そのカッコよさに惹かれてファンとか味方ができるのかと。

kent 2013-09-01 (日) 19:24

nbさん、いいこと書いてますね〜(笑)

もちろん、音楽そのものに好みがあるように
こういった価値観にも好みはあると思います。

万民がかっこいいと思う物はないでしょうから
やはり、自分がこれだ!と思った美学を貫くのが良いですよね!

ただ、チューナーに関しては
つけている方がかっこいいって思う人いるのかなあ?(^^;)
どっちでもいいって人はいるだろうけど
つけてるほうがむしろかっこいいと言うのはよほど少数派だと思いますので、やっぱりライブの時はチューナーは外しましょう!

Comment Form
Remember personal info

投稿ボタンを押してからコメントが反映されるまでかなり時間がかかる場合があります
何度もクリックせずにしばらくお待ちください

Home > > ミュージシャンとしての美学

Page Top