準備編
うちは普通の民家(といっても一応鉄筋4階建てビルですが)の一室をスタジオとして使用していました。ボーカル録りもミックスもすべて同じ部屋内でやっていたのですがそれだと録音中は同席してる人が一切会話できないばかりかくしゃみ一つもできないという緊迫した状況になります。

幸い、スタジオとして使用している部屋のすぐ隣が三畳ほどの納戸になっており今回はここを改造してボーカルブースを作り商用利用にも耐えうるスタジオにグレードアップさせることが今回の目的です。

もちろん最初は市販の防音ブースをいろいろ検討したのですが最低でも60万くらいはかかってしまうということと、予想しているほどの効果がでないという評判を聞き自作する決意を固めました。

予算は20万。はたしてこの予算で無事に市販防音ブース並のものがつくれるのでしょうか?現時点ではまったくわかりません。

防音工事では遮音・吸音・制振のバランスのとれた施工が重要になります。まず手始めに吸音するための材料を調達することにしました。

吸音材はいろいろ種類がでていますが安価で手に入りやすいものといえばやはりグラスウールでしょう。

今回はグラスウールの表面をビニールで覆って施工時のちくちく感を軽減してくれるというマグのポリカットを購入。ヤフオクで「これは安い!」とおもって購入したのだが近所のコーナンのほうが少し安かった。ちょっとショックです。

納戸の採寸をしてみました。

最上階なので屋根裏へのメンテナンス用扉があるのでそれをふさいでしまうことはできないのでそれを避けるようにブースを設置する必要があります。

あと元からついてある窓をふさぐとまったく風のとおらない空間になってしまい湿気がたまりカビなど発生する可能性があるので元からついてある窓にいつでもアクセスできるようにしないといけないので防音ブース自体に二重サッシをつけることで対応したいと思います。

しかしながらより防音性能を求めるなら窓類は一切なくしたほうが良いです。アルミサッシといえども完全にすき間がないわけではないですからね。

天井高は2400mmあります。

このようなプランになります

ブースに取り付ける扉は防音用ドアを買うと非常に高価なので安価なトイレドアを二重にしてドアに遮音シートをはることで防音効果のあるドアに改造する予定です。

ブースの窓側の壁と元からある壁の150mmほどの空間はウインドエアコンを設置したりするために確保しておきます。あと窓側の壁は唯一建物の外に面しているので遮音性アップのための空気層としての意味もあります。

ブース内部のサイズは1400mmの正方形に近いサイズになる予定です。

これだけのサイズがあればボーカルはもちろん、ギターなどの弦楽器でも楽々でしょう。

床は浮き床構造にするため120mmほどせりあがるので天井高はその時点で2280mmになります。

天井に防音加工をするかどうかはいまのところ未定です。建物の最上階なので上からの衝撃音などは一切ないのでもしかしたら天井はなにもしなくてもすむかもしれません。

天井扉をあけてみると、どうやら天井は石膏ボード一枚で構成されておりそのうえにグラスウールを敷き詰めているようです。

石膏ボードは屋根から金属棒でつり下げられて固定されています。天井は空気層とグラスウールがもともとあるので防音加工しなくてよいのでしょうか。。

仮にしたとしても石膏ボード一枚の天井なので、根太もなにもなく重量のあるものを天井にはりつけるのは危険なのでせいぜい遮音シートを1枚貼り付けるくらいにとどめておかないとだめかも。。

屋根裏を見てみると電気系統のケーブルがクモの巣のように張り巡らされています。

最終的に余ったグラスウールは捨てるのがもったいないので屋根裏にでもしまっておくことにしましょう。

納戸の写真です

壁紙やフローリング材、幅木などはそのままでも施工できるのでしょうか?

照明は元からついているのでこれを流用するつもりです。

そして、一番重要である遮音材は住友の「すーぱー静香」というなんとも怪しいネーミングの商品に決定。

ネットでいろいろ勉強してるうちにとても良心的な防音専門業者さんを見つけることができて今回の施工にあたっていろいろアドバイスをいただきました。本当に感謝しております

アコルトという会社なのですが、ご本人も音楽の仕事をされているのでミュージシャン側の気持ちがよくわかっていらっしゃるのでとても頼りになります。

さて、材料もそろってきたので施工開始です。床編へと続きます。